こたつを拾った。
無味乾燥というべきデザインに、ボロボロになった布。そんな、冷たい印象を与えるこたつからは、以前の持ち主に手荒く扱われていた事がうかがえた。
家に帰ってコンセントを挿すと、こたつは案外あっけなく起動した。
冷え切った僕の身体をこたつが暖めていく。
心の温かさなら誰にも負けないと豪語する僕に拾われたこたつは、その無味乾燥な見た目にどこか彩りが現れたような気がした。
身体の冷え切った僕と、心の冷え切ったこたつ。
冬も終わるこの時期に、僕とこたつの、二人だけの日々が始まった。
※きょむきょむ日記は、100%フィクションで、虚無と僕の生活をお送り致します。